2004年6月15日火曜日

卵の記憶



今日不意に卵を6つくらい手掴みで持つことがあった。


するとドバーッと昔の記憶がよみがえった。


私が幼少のみぎり、家では卵を卵売りのおじさんから買っていた。卵のような変わった形の顔のおじさんだった。(と思う)


おじさんは家の勝手口に定期的にやってくる。後に大きな行李を載せた自転車に乗って。そして行李の蓋を開けるとそこにはもみがらが沢山入っている。おじさんはもみがらをかきわけ、そしてその中に手を静かにさし入れる。すると白い卵がいくつもいくつも姿をあらわす。おじさんは両手を使って器用に卵をたくさんつかみ、ザルに入れる。そのザルははかり(天びんばかりの左右対照じゃないヤツ。てこの原理を知っていた小学生でもあの奇妙な形、そして測定動作は何か呪術的なものに見えた)にくくりつけられていて、重さを計る。そして持っていったボールに卵を入れてくれる。


子供心にも、あのおじさんは何かすごい事をやっているなあ、と尊敬の念が生じたものであった。


今では、卵ってスーパーで紙パックに入って山積みされているものなんだけど。





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