2005年11月2日水曜日

最近読んだ本 セックスボランティア



セックスボランティア


障害者の性についてのルポルタージュです。こういうことってどうなっているのかなあ、と思い読んでみました。


障害者になったからといって都合よく性欲もなくなるわけではなく、当然性欲はあります。しかしそれをどうやって満足させるのか、そのためにどのような人がどう活動しているのか、著者が色々なところに行って取材しています。障害者専用風俗、オランダにある障害者のためのセックスボランティア組織、そしてそれらを利用する障害者へのインタビュー。日本でもセックスボランティアという活動を始めた人たち、そしてその人たちのボランティア意識と恋愛意識の境目における葛藤。


衝撃的な内容も多いです。興味本位で読んでもいいけど、そういう意味ではあまりおもしろくないかも。


しかし、著者の感想にもあったけれど、この問題は当事者たちの問題というよりは、彼ら彼女らを取り巻く人々(健常者、という言葉を使うか)が性についてどう考えるのか、その考え方の問題なのではないだろうか、という主張にうなずくところがありました。


彼らは人間としてその権利を行使したい。しかし介護する人たちや彼らを取り巻く人たちがその権利行使要求に対してどう反応するのか、そこで彼らのできることは決定されてしまう。だからこの問題は普通の人々の性に対する意識が彼らに投影されたものだ、と。


今まで考えたことのなかった問題だけれども、彼らの問題ではなく、我々の問題、そして非常に奥の深い問題だなあと思いました。





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