2006年3月2日木曜日

飲酒と自殺の関係



ダークな話題ですが、今日のニュースになってましたね。これってどういうことなの?と色んな記事を読んでみたのですが、いちばん詳しく書いてある記事がこれ(中日新聞ホームページ)だったので引用しておきます。



自殺リスク酒量影響


厚労省が調査


 飲酒と自殺の関係について男性約4万人を調査した結果、週1回以上飲酒し1日当たりの飲酒量が日本酒3合以上に相当する人や、全く飲まない人の自殺リスクは、月に1-3日程度飲む人の2・3倍になることが1日、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の調べで分かった。


 国内の自殺者は毎年3万人を超える。習慣的な大量飲酒が要因になるのは知られていたが、全く飲まない人からも高いリスクが浮かび上がった。


 研究班は岩手、秋田、長野、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の8県内の計9保健所の各管内に住む40-69歳の男性4万3383人について、7-10年(平均8・5年)の追跡調査を実施。その間、168人が自殺した。



すごい調査ですね。4万人強を10年も追跡するとは。そして調査がされた県、概して自殺率の高い地域です。岩手(47都道府県中自殺率3位)、秋田(同1位)、長野(同33位)、茨城(同23位)、新潟(同5位)、高知(同8位)、長崎(同22位)、沖縄(同20位)。(出典:図録▽都道府県の自殺率)また40-69歳の男性という調査対象は的を得ています。この辺の方が自殺しやすい。


そして調査中に168人もの方が実際に自殺されています。率にして0.39%、人口10万人当りの自殺者数(=自殺率)だと387。2003年の日本の自殺率が27.0、男子のみでも40.1(出典:平成15年中における自殺の概要資料・警察庁生活安全局地域課)というところから見てもかなりの高率です。



 分析に際し全体を飲酒状況で「全く飲まない」(23・8%)、「月1-3回」(9・6%)、「週1回以上」(66・6%)の3群に分類。さらに「週1回以上」について、日本酒換算で1日当たり「1合未満」「2合未満」「3合未満」「3合以上」の4グループに分けた。


 その結果、「月1-3回」の自殺リスクを「1・0」とすると、「1合未満」が1・2、「2合未満」が1・4、「3合未満」が1・3となり、「3合以上」が2・3と最大になった。



ここに少し異議があるのですが、リスクが1・0とされているグループは全体の10%足らずです。ここを基準に持ってくるのは不自然なような気がしますが、いかがなものなのでしょうか。そしてこの結果、1日3合以上飲むのでなければそんなに自殺したりしない、とも取れます。平均して1日3合はすごい量ですね。社会生活を普通に送るのがまず難しそう。



 一方、「全く飲まない」も2・3となり、中でも「飲んでいたがやめた」に限ると6・7と非常に高い数字が出た。



ここはちょっと注目。全く飲まない人と1日3合飲む人が同リスク。どういうことなんでしょうねえ。そして飲んでたけどやめちゃう人はリスクさらに上昇!酒はやめちゃいけないんだな(゚o゚)



 研究班は「飲まない人の中に、自殺の危険性を高めるようなつらい病気を持つ人やうつ状態の人が多く含まれていた可能性もある」と分析。「ただ、酒を飲めば自殺リスクを下げられるという結論が出たわけではない。アルコールの害も考えると、1日1合程度にとどめた方がいい」としている。



「節度ある適度な飲酒:1日平均純アルコールで約20g程度(日本酒1合相当)の飲酒」という厚生労働省が健康日本21で出している定義があり、これに沿ったコメントをしたのでしょう。


このニュースに出てくる数値も断片的でこの調査の全貌は公表されたデータだけではわかりません。詳しい報告書はウェブに上がったりするのでしょうか。読んでみたいけど出てこないかな。一般ピープルの啓蒙(警告?)に役立つ部分のみを抽出してニュースとして発信した今回で終わりかも。


おい、高い税金払ってるんだからキャッチーでなおかつバイアスがかかった情報だけじゃなくて今回わかった事実を全部公表してくれよな。





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