ネットの住人たちの間でも、また巷の人たちの間でも話題になっているこの本、ものすごいベストセラーになっちゃったんですね。1ヶ月ほど前に買ったのですが、今日読み終わりました。
たしかにベストセラーになる本ですね。今インターネットで起こっていること、これから起ころうとしていることについて私のような素人にもわかりやすい言葉で丁寧に解説してくれている。そして穏やかな語り口ながら論理の切り口はすごく鋭利。読んでいて引き込まれていく本です。読後感が気持ちいい、というのも特徴かな。
まず最新の変化はインターネットの「あちら側」で起こっていて、もはや「こちら側」ではない、という視点にうなずきました。コンピュータを持つのは当たり前、インターネットに常時接続するのも当たり前、ブログやホームページで既存のメディアではなく一般人が情報を発信できるようになったこの時代、言い換えればインターネットに向かうためのインフラ、インターネットの「こちら側」の世界は既に成熟していると。
そこでインターネットに漂う膨大な玉石混交、有象無象の情報を整理することによって価値を生み出し、価値あるものをこちら側に提供し、そこでビジネスを行う、そういう仕掛けが作られつつある。それが我々からは見えないインターネットの「あちら側」の変化である、そしてその変化こそがこれからの我々の生活を変えてゆく、と。
うまく伝わるのかなあ。伝わらなければ読んでみてください。新書だから安いし。
そしてこの本を貫く彼の態度、大多数の意思がバイアスなく集められたときにはそれは衆愚ではなく「神の意思」に近くなる、そしてそれをインターネットが可能にできる、という考え方も面白いなあ、と思いました。私もそれを信じたい。
また体制側にいて既得権益を持っている比較的年長のエスタブリッシュメント層ではなく、彼らとは育ってきた土台から異なる若い世代のアイデアの中にこれからの大変化を起こすものがあるはず、というのも納得。
私はもう若い世代に属していないと思うけれど、柔軟な視点をもち、突飛なアイディア・計画にもリスクを敢えて冒して飛び込んで行きたいものだなあ、そういう気持ちにさせられる一冊でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿