2008年7月3日木曜日

まいど!横山です / 横山やすし



なんとなく昔から横山やすし、という人が気になっている。大田区が誇るやすしーずというバンドもあるし(笑) 彼が書いた本が何冊かあるということなので読んでみた。この本の前にもう一冊、「遺作 横山やすし日記―浪速男の意地、笑い、涙」という本を読んだのだが、こちらはやっさんがボートをしていた時分のボート日記だった。何月何日にどこでどのようなレースを走り、そして何着だったか、そういうことがほとんどだった。だから彼の人となりはなんとなくわかるのだけれど、術語の羅列であまりおもしろくなかった。


しかしこちらは面白かった。彼の言葉で彼の半生が描かれている。これはゴーストライターじゃないな(笑)っていうくらい無骨で変なところもある文章なのだが、彼のパーソナリティーがよく出ていると思う。彼はものすごーく純真で(目的に対して)真面目に必死に取り組む人なんだなあ、というのがよくわかった。中学校卒業間際に漫才のテレビで優勝し、卒業してからすぐお笑いの道に入り、そこから芽が出るまでに10年以上かかっている、という苦労人だったことも始めて知った。


彼は色々な事件を起こしたり社会的な制裁を受けていたけれども、社会、またはそこからの制裁に対して彼がどう考えていたのか、彼の考えも面白いものだった。彼は絶対もう一度再起して日本一になるのだ、という信念を確実に持っていたので、制裁にも耐えて見事日本一の漫才師、という称号を手にすることができたのだな。彼は自分のキャリアプランを本当にしっかり持っていた、と思う。社会的にどう見られるのか、というところはそれに比べてほとんど重要性がない、とも言い切っている。すごい。


しかしこの本は一度目の謹慎処分が解けて日本一になるくらいのところで終わっている。その後会い方が参議院選に出馬して当選、国会議員になって思うように漫才ができなくなり、生活が荒れ(久米宏のTVスクランブルに泥酔して出たり来なかったりしてた記憶が私にもある)、そして再び事件を起こしお笑いの表舞台から消えてゆくのだが、その過程で彼が何を考えたかについてはこの本にない。


思いっきり漫才をやりたかったんだろうなあ。。


まいど横山です―ど根性漫才記 (徳間文庫 412-1)


遺作 横山やすし日記―浪速男の意地、笑い、涙





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