2009年10月19日月曜日

日日是好日(にちにちこれこうじつ)~「お茶」が教えてくれた15のしあわせ / 森下典子



日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)


サンバカ友達(笑)のブログで紹介されてて面白そうだなと思い、図書館で昨日の夕方借りてきて、そのうち読もうと思っていましたが、寝る前にふと手にとって読み始めたら面白くて台所のスツールに座ったまま一気に読んでしまいました。


お茶って実は一度習おうかなと思ったことが若い頃にありました。美容師さんだった私のばあちゃんはハイカラな人であったと同時にお庭やお茶など伝統的な美にも造詣が深く、家はしっかりした和風建築、庭もきれいに整えられていて打ち水がされている、という趣味人でした。彼女の影響で小学生の頃から庭の本とか日本の古い建築物の図鑑などを見たりしていました。三瀧寺(みたきでら)などにもよく連れて行ってくれました。


私が社会人になって広島に帰りおちゃけばかり飲んでいた頃、彼女が私に向かって、


「あんたはお茶習ったらどうかね?広島には上田宗箇流いう男のお茶もあるけえ」


と言うのでした。そうかなーとも思ったのですがそれ以上考えることはなく、結局茶道ではなく陶芸を始め、飲むのはやはりおちゃけでした。


私は当時陶芸したり仕事よりバンドを一生懸命やっていたり、とかなり趣味人な生活をしていました。そこで彼女は何か感じたのかもしれないですね。この子なら茶道合うかもって。


この本の内容とは関係ない話ばかりになってしまいましたが、この本面白いです。茶道を習うということはどういうことなのか、そこについて詳しく書かれた本です。お手前がうまくなるとかそういう表面的なことではなくて、茶の「道」とは何なのか。それはどうやって学ばれていくのか。何となくお茶を始めた彼女のチャクラがだんだん開いていく様子が自分のことのように追体験できます。これだけ平易な文章で、そんなに長くない本なのに、豊かなお茶の文化を鮮やかに描き出しています。作者の筆力もかなりのものですね。


いわゆる普通の学校の勉強とは全く異なったアプローチで「学ぶ」ことができるのだ、というのが茶道の真骨頂なのかも。


やっぱりお茶始めてみようかなあ。





1 件のコメント:

  1. まっちゃ>なるほど、そういえば近くにも心当たりが(笑)
    あたってみます。ありがとう。

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