2007年10月19日金曜日

[常] Rock’n Roll



現代技術で高度に制御された快適なオフィスも今日限り、明日から10日間ほどイベントの準備とイベント会場で過ごすことになる。イベントも観客側から見ると、高度な技術で制御されているように見えるが、数日間だけ高度な技術で制御された空間を作り出すためには果てしないやっつけ仕事が必要になる。幕が上がる時間が決まっているため準備のための時間は限られ、その限られた時間の中で圧倒的な物量を持ち込み、何もないところに人々が憧れるような極上空間を作り上げなければならないのだ。異なる文化を持った人達が一緒に働く場合、いわゆる多国籍チームの場合はさらに混沌度合いが増す。常識、あるいは不文律という議論の必要のない部分さえ文化によって異なり、いちいちそれを議論して決めてゆかなければならない。時間がないためトライアンドエラー、あるいはトヨタ得意の改善をする時間も当然なく、有史以降準備が完璧にできたイベントは未だかつてないと私は断言できる。運営側から見るとイベント会場は阿鼻叫喚の地獄絵図が広がる戦場なのだ。お客さんにはそれは見えないようになっているから見えないだけで。


最初は色々文句を言ったり直させたりした。「このイベントは仕切りが悪いなあ」とぼやいたり。しかし「世の中に仕切りの良いイベントなど存在しない」ことに気づくまでそう長くはかからなかった。


非日常なのだ、戦争状態なのだ、と思えば腹は立たない。いかに自分に与えられたミッションを最大限遂行できるか、リスクを極小化できるか、刻々と変わる環境に合わせ考え、即実行するだけだ。


戦場へ赴く兵士の気持ちもこんなだろうか。心静かにデスクに坐り、明日から考えられうる最悪の状況をイメージし、対処できるよう持参品をそろえ、チェックし、カバンに入れる。机の上をきれいさっぱり片付け、)PCの電源を落とす。


じゃ、行こうか。





1 件のコメント:

  1. そのイベントって、東京モーターショウのこと?

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