2008年5月12日月曜日

叱り叱られ / 山口隆



叱り叱られ


なぜ私が岡林信康に行ってしまったのか、という答えがこの本です。サンボマスターの山口隆が6人の音楽界のカリスマと対談する、という破天荒な本。だってその6人はほんと「ネ申」レベルですよ。山下達郎、大滝詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、奥田民生。この人選が素晴らしいと思う。山口隆、流石サンボマスターで私の心をワシづかみにしただけのことはあります。


そして対談を読んでいてもすごく楽しい。山口君対談者の音楽に対してチョー詳しいんですよ。オタク並みだよね。そしてその蓄積から彼が導き出した仮説を年齢差のある相手に対して容赦なくぶつけてゆく。それに対する相手の反応も面白い。大滝詠一がこんなに壊れている人だ、というのも知らなかったし、岡林信康が意外に普通の受け応えをしていた、というのもびっくりでした。以前読んだ森達也の放送禁止歌では所在もわからない、だれもメディアが接触できない伝説の人として描かれていたので。奥田民生との対談は2人とも既に友達らしく、山口君も力が抜けていて、彼らも作中で言っていましたが「部活の先輩と後輩の会話」でした。これはこれでまたよかった。


簡単に読める本ですが読後感が最高なのと、本に出てくる7人を全て好きになれる、いい本だなと思いました。





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