2020年10月26日月曜日

一篇の詩に出会った話 / Pippo

 たまに飲みに行っている私のお気に入り、大森山王の飲める古本屋、あんず文庫で購入。店主の加賀谷さんも登場します。11人が自分の一番好きな詩を紹介し、それについて近代詩伝道師Pippoさんと対談する、という形の本。

詩の世界って私には今まで、国語の教科書にこういう詩出てきたよねー、のレベルを越えず、どうも敷居が高かったのだけど、この本であげられる詩はそれとは少し違っていて、現代詩もあればテレビアニメの冒頭のナレーション(!)というものもあった。そしてその一篇一篇が、いいなあ、と感じられた。この本の構成が秀逸なんだと思う。以下少し解説。

もし、自分ひとりでその詩をポコンと目にしても、良さがわからないと思う。実際宮沢賢治とか室生犀星の詩も読んだことあるけど、あまりピンとこなかった。この本では、11篇の詩に対して、その詩を大好きな人とPippoさんが話してて、この詩のどんなところが好きなのか、どういうシチュエーションでこの詩に出会ったのか、そういうことが話される。それを読むうちに、ああ、詩ってこう読むんだ、こういうアプローチで詩に近づくんだ、ということに気づく。

この本は詩の世界、という大きな世界に入るよいきっかけになると思う。少なくとも自分はそう感じたし、詩に対するこういうきっかけはいままでなかった。何人かもっと読んでみたい詩人さんもでてきたし、ワクワクするいい本でした。

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