私は図書館で借りて読んだのでハードカバーだったのだが、今新品で入手可能なのは文庫しかないようなのでこちらをリンク。
探してでも一生に一度は読むべき価値のある本。ストーリーの組み立てが素晴らしい。そして破天荒、さらに通奏低音としてどうしようもない諦念が感じられる。まさに私好み。13篇の短編小説(小説といえないものもあるが)が、読み進めていくうちに絡み合ってきて時空を超えた大きなパノラマを形成する。出てくる人々がすべからく醒めていて、乾いた感じ。この作者はどうやってこの作品の構想を得たのだろう。ボブ・ディランが静かに歌っているような感じ。読み終わったときの感じも何ともいえない。
こういう本が新潮文庫の100冊に入ればいいのに。
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